初診日について

障害年金の「初診日」とは?

障害年金の手続きをするときにとても大切になるのが「初診日」です。初診日とは、障害の原因となった病気やけがで、初めて医師や歯科医師に診てもらった日のことをいいます。

病院に行った日
★ 初診日(ここが基準!)

病名が分かった日

⚠️ 症状が悪化した日

※ 初診日=病名がついた日ではありません!

❌ 整骨院・接骨院・鍼灸院などは対象外です

初診日の重要性!

初診日は、次のような重要な判断に影響します。

  • どの年金制度を請求できるかが決まります
    障害年金は、初診日に加入していた年金制度によって請求先が変わります。
    例:障害基礎年金・障害厚生年金・障害共済年金

  • 障害認定日を決めるために必要です
    初診日がわからないと、「障害認定日」も決められません。そのため、障害の状態を判断することができません。

  • 保険料の納付状況の確認に必要です
    保険料をきちんと納めているかは、初診日の前日時点で確認します。初診日が不明だと、納付要件の確認もできません。

つまり、将来の年金を受け取れるかどうかを左右する、とても重要な日なのです。

そのため、初診日を正確に把握することは非常に大切です。記録や診療内容をもとに、間違いのない日付を確認してください。

初診日の具体例

あてはまる条件   初診日となる日  
同一傷病で転医があった場合   一番初めに医師等の診療を受けた日  
同一傷病で再発した場合、または旧症状が社会的に治癒したと認められた場合   再発後、医師等の診療を受けた日  
傷病名が確定しておらず、対象傷病名と異なる傷病名でも、同一傷病名と判断される場合   他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日  
障害の原因となった傷病前に、相当因果関係があると認められる傷病がある場合   最初の傷病の初診日  
じん肺(じん肺結核を含む)の場合   じん肺と診断された日  
先天性の知的障害(精神遅滞)の場合   出生日  
先天性の心疾患、網膜色素変性症などの場合   具体的な症状が出現し、初めて診療を受けた日  

相当因果関係

「前の傷病がなかったら、後の傷病は起こらなかっただろう」と考えられる場合、前後の傷病は同じものとして扱われることがあります。

この場合、後の傷病で障害年金を請求する場合でも、前の傷病の「初診日」が障害年金における「初診日」として取り扱われます。

たとえば、肝炎を発症した方がその後に肝硬変となり、肝硬変で障害年金を請求するケースでは、「初診日」は肝炎で初めて医師の診療を受けた日となります。

このように、前後の傷病が一連の流れとして関連している関係を、「相当因果関係」といいます。

相当因果関係があると取り扱われることが多い例

前の傷病名 後の傷病名  
糖尿病 糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性壊疸(神経障害、糖尿病性動脈閉塞症)  

糸球体腎炎(ネフローゼを含む)

多発性のう胞腎

慢性腎炎

慢性腎不全

※後の発症が期間が長いものであった場合を含む

 
肝炎 肝硬変  
結核 聴力障害(化学療法による副作用)  
ステロイドの投薬治療 大腿骨頭壊死(ステロイドの副作用として)  

事故による傷病

脳血管の傷病

事故または脳血管の傷病による精神障害  
肺疾患

呼吸不全(肺疾患の手術後に発症)

※後の発症が期間が長いものであった場合を含む

 
がん(悪性新生物)

転移性悪性がん

※転移前のがんと同じ組織が一致、または転移と認められた場合

 

相当因果関係がなしとしてとり扱われることが多い例

前の傷病名 後の傷病名  
高血圧 脳出血、脳梗塞  

糖尿

脳出血、脳梗塞

 
近視 黄斑変性症、網膜剥離、視神経萎縮  

たとえば、高血圧や糖尿病が原因で脳出血や脳梗塞を起こすことは医学的にはよくあります。
しかし、障害年金ではこのような場合でも、「相当因果関係がない」と扱われることが多いため注意が必要です。

相当因果関係があるかどうかは、医師の診断や病気の経過、治療の内容などを総合的に見て判断されます。
判断が難しい場合は、専門家に相談するのがおすすめです。

障害認定日の特例

施術   障害認定日とされる日
咽頭全摘出の場合   咽頭全摘出日
切断または離断による肢体の障害   原則として切断日または離断日

人工骨頭、人工関節を上肢三大関節(肘関節は尺股関節に限る)または下肢三大関節に挿入置換

  挿入置換日
脳血管障害による機能障害   初診日から6か月を経過した日以後に機能が回復が望めないと認められるとき(症状固定)
人工弁、心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)   装着した日
重症心不全により、CRT(心臓再同期医療機器)またはCRT-D(除細動機能付き心臓再同期医療機器)を装着   装着した日
胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤により人工血管(ステントグラフトも含む)を挿入置換   挿入置換日(※診断書の一般状態区分がイまたはウの状態が必要)
人工肛門造設、尿路変更術、新膀胱造設   造設または手術した日から6か月を経過した日
人工透析療法   透析開始日から3か月を経過した日
在宅酸素療法   開始した日(常時使用の場合)
遷延性植物状態   状態に至った日から起算して3月を経過した日以後、遷延性直物状態と診断された日

障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日となります。ただし、1年6か月を待たずに特例要件に該当した場合には、その時点を障害認定日として取り扱います。

社会的治癒

社会的治癒とは

一度発症した病気やけがが、医学的に完全に治ったわけではなくても、社会生活や就労の面では治癒と同様の状態になったことを指します。
つまり、次のような状態が「社会的治癒」とみなされます。

  • 長期間にわたり治療を受けていない(通院や投薬をしていない)。

  • 日常生活や仕事に制限なく復帰している。

  • その後、同じ病気が再発した場合でも、新たな発症として扱うことができる。

社会的治癒が重要になる場面

障害年金では「初診日」が非常に大切で、どの年金制度に加入していたかで受給可否が決まります。
ただし、過去に発症した病気が 社会的治癒 と認められた場合、再発後の受診日を「新しい初診日」として取り扱えるというメリットがあります。

社会的治癒と認められる可能性がある例

  • 高校時代にうつ病で通院していたが、その後5年以上まったく治療を受けず、会社勤めをしていた。

その後同じ病気が再発しても、再発後の初診日が障害年金の「初診日」とされる場合がある。

注意点

  • 「どのくらい治療が途絶していれば社会的治癒か?」は明確な年数基準はなし
     一般的には、少なくとも5年以上 治療を受けていないと認められやすいとされます。
  • 医師の診断書や就労記録など、社会的に治癒していたことを証明する資料が必要です。
  • 最終的な判断は診断書や「病歴・就労状況等申立書」などの内容をもとに、個別の事案ごとに総合的に判断されています。

社会的治癒とは、「一度かかった病気が完全に治ったわけではないが、社会生活に支障がなく治ったのと同じ状態になり、その後に再発したら新たな初診日として扱える」という仕組みです。

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